2022年12月20日に開催した第94回月例勉強会は、「単身高齢者との借家契約~「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を中心に~」と題し、当協会登録専門家で弁護士の尾原央典氏が登壇いたしました。
概要
単身の高齢者(60歳以上を想定)は部屋を借りにくいと言われます。
その理由はいくつか考えられますが、「入居中に亡くなった場合、どうすればいいのか?」という大きな不安が家主さんにあることは想像に難くありません。
この点、孤独死が発生して特殊清掃が必要になり事故物件になってしまうことももちろん心配ですが、60歳未満のいわゆる現役世代の孤独死が4割程度を占めているという統計もあり、孤独死は高齢者のみの問題とは言えないようです。
高齢者の場合、福祉関係のスタッフの方達が定期的に自宅を訪問しているようなケースもあり、一人で亡くなっても比較的早期に発見されることもあるようです。
しかし、問題はその後です。借家人が死亡しても借家契約は当然には終了しないということは、皆さんもうご存じかもしれません。
では、その効力が残った借家契約は、どのように処理したらよいのでしょうか?
部屋に残された家具などの動産類は、どうしたらよいのでしょうか?家主さんが廃棄処分してしまってもいいのでしょうか?
このような家主さんの不安感を払拭するために、近時、国交省及び法務省において、「残置物の処理等に関するモデル契約条項」が策定され、公表されました(令和3年6月)。
今回の勉強会では、このモデル契約条項について、かみ砕いてご説明させて頂きました。
講師紹介
関口総合法律事務所
弁護士