2017年4月20日に「賃貸トラブル解決セミナー~賃料滞納、立退き交渉などその場でQ&A!~」を開催いたしました。
自らも立ち退き交渉の現場に臨む、夜討ち朝駆けも辞さないハードネゴシエーターでもある司法書士の太田垣章子氏にご講演を賜りました。
概要
交渉にはテクニックとタイミングが重要︕「賃貸トラブル対策」として家主が⼼得ておくべきことは︖
賃貸経営を取り巻く状況は、社会情勢・時間の流れと共に常に変化しています。
周辺地域の競合物件の増減といった外部環境の変化だけでなく、建物の物理的な変化(⽼朽化・陳腐化)、オーナー⾃⾝や⼊居者の⾼齢化など、内部で⽣じる変化もあります。
時宜に則した賃貸経営の課題への対処を怠ることは、賃貸トラブルが発⽣する原因となります。
今回は、⻑年にわたりオーナー賃貸トラブル相談に応えながら、徹底した現場主義を通じて家賃滞納・⽴ち退き交渉等の問題を解決に導いてきた、章司法書⼠法⼈代表司法書⼠の太⽥垣章⼦⽒にご講演を賜りました。
本セミナーには、不動産業者や家賃保証会社の⽅、弁護⼠をはじめとする⼠業の⽅など約30名の受講者が参加され、太⽥垣⽒のきわめて実践的なお話に熱⼼に⽿を傾けておられました。
建て替えによる⽴ち退き交渉について
建替時の⽴ち退き交渉について、家主側は6か⽉前にアナウンスすれば、安易に退去してもらえると考えがちです。
そこには、⼊居者に対して「住まわせてやってる」 という思いが潜んでいるのではないでしょうか。
無意識であっても、家主がそのように上からの⽬線で臨むと、⽴ち退き交渉は⾮常に難しくなります。
そして、⼀度こじれてしまうと、⽴ち退き料が⾼額になったり、最悪の場合は建て替えの断念にまで発展してしまうこともあります。
また、⾮弁⾏為(弁護⼠でない者が報酬を得る⽬的で法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、⼜はこれらの周旋を業とすること)にも注意をする必要があります。
しかし、 交渉のテクニックやタイミングをしっかり学んでいれば、⽴ち退き交渉は決して不可能なことではありません」と語る太⽥垣章⼦⽒。
家主側の知っておきたいポイント
⾃殺等の損害賠償請求や原状回復の問題、契約解除や家主の義務、夜逃げ等々、家主が賃貸経営をしていくなかで絶対に知っておくべきポイントは多々ありますが、これらのことも意外と認識されておらず、最近は損害賠償問題に発展するケースも多くなっています。
私たちが業務を受けるときは、家主側の⽴場で法の詳細を把握した上で、⾃分たちの⾝を守るような⾔動をしなければならなりません。
賃料滞納に対する対策
契約時の審査時に悪質賃借⼈を⼊居させないポイントや、滞納されないための⼯夫、万が⼀滞納された後の対応の注意点を会得しておくだけで、賃貸経営は安定します。
また、連帯保証⼈への上⼿な交渉の仕⽅なども含めて、家主側はもっと⾃分たちが⾏っている賃貸経営について勉強しておくべきだと思います。
講師紹介
太田垣章子