年を重ねる毎に色々と問題が生じてくるのは人間も不動産も同じで、竣工から30年、40年以上経過した不動産(築古不動産)には様々な問題が出てきます。とりわけ、「老朽化した建物の建替え」と「競争力低下による賃料の下落」の2つが、築古不動産のオーナーにとって非常に悩ましい問題ではないでしょうか。
建替えを行う場合には、入居しているテナントに退去して頂く必要がありますが、借地借家法や弁護士法といった法律上の問題や税務上の留意点等がありますし、立退きをスムーズに進めるためには実践的なノウハウも必要となります。
また、老朽化に伴う競争力低下への対応においても、借地借家法に基づく賃料増減額請求や不動産鑑定評価基準における継続賃料の考え方を踏まえつつ、テナントとの良好な関係を維持していく実務的な取り組みが欠かせません。
本書では、一般社団法人不動産ビジネス専門家協会に在籍している登録専門家(士業等の専門家及び不動産ビジネスに携わっている実務家)が、上記2つの問題を中心とした諸テーマで執筆しております。
目次
第1部 築古不動産の建て替え | 第1章 建て替えの全体像と立退きの注意点 |
第2章 賃貸不動産の立退き交渉 | |
専門家コラム① 老朽化建物における修繕と定期建物賃貸借契約 | |
第3章 立退きと正当事由 | |
専門家コラム② リフォーム!建替え!でも、お金を持っているのは認知症の母だけ! | |
第4章 築古物件を建替えする場合の税務 | |
第2部 築古不動産の存続 | 第1章 建物を長く存続させるために知っておきたいこと |
専門家コラム③ 賃貸オーナーは知っておきたい既存不適格と違法建築 | |
第2章 賃料増減額と建物の老朽化 | |
専門家コラム④ 賃貸不動産オーナーのための補助金・助成金ガイド | |
第3章 最低限知っておきたい継続賃料の基礎知識 | |
専門家コラム⑤ 空家等対策の推進に関する特別措置法について | |
第4章 築古物件をリノベーション、延命していく場合の税務 |
執筆者
本編(五十音順)
コラム(五十音順)
植松勉(弁護士) |
大塚訓(社会保険労務士) |
尾原央典(弁護士) |
鈴木美穂(司法書士) |
松橋輝彦(宅地建物取引士) |