もうずいぶん前のことであり大丈夫かなと思いますので、自分が在籍した会社で経験したマンション建設時における近隣対策のことをお話しします。
vol.1 プロローグ
某県某市において郊外型ファミリー分譲マンション用地として土地 600 坪を仕入れ購入しました。
住居系の用途地域で容積率 200%、建蔽率 60%。
前面道路の幅員も広く高度地区的には7階建てまで建築可能な場所です。
その地で約 50 戸の分譲マンションを供給する計画でした。
ただし、両面接道の裏側道路一本隔てた先は低層住居の専用地域。
物件の街区も含め周りには戸建てしかない。
「こりゃ近隣大変だな・・・」と一目瞭然でわかる場所です。
比較的近くに同様なケースの他社マンション建設の先例があり(もちろん近隣対策は大変だったそうです)、参考にさせていただくため事業者を表敬訪問し苦労話をお聞かせいただきました。
先例を活かすためそのマンションを建設したゼネコンを建設業者に選定し、一緒に近隣対策をしてもらって少しでもスムースに事業を進めることとしました。
町会長へも挨拶。
物件の土地は相続があり売買されたことは近所の皆さんはやはりご存じなようで、なんとなく周辺の空気感も掴んだ上で近隣対策のストーリーを画きました。
実施設計を終え、建築確認申請書提出。
その足で同日現地へ建築のお知らせ看板を設置に行くために最寄り駅を降り、歩いていくと途中の電柱の一本一本全てに「マンション建設絶対反対」「太陽を奪うな」などなどステ看板のごとくビラの貼付けがお出迎え。
現地の隣地の塀にも反対の横断幕のオンパレード。
「始まったな。しかしなんで今日確認申請したことわかってるの?役所に内通者がいるな・・・」
次回へ続く
執筆者紹介
日本橋アセットコンサルタント代表
宅地建物取引士
ファイナンシャルプランナー