宅地建物取引業を行うのに必要な宅地建物取引士について③

宅地建物取引業を行うのに必要な宅地建物取引士について③

皆さま、実務経験で取引士になられた方は、周りにいらっしゃいましたでしょうか?

きっと宅建業界の生き字引のような方なのではないでしょうか。

因みに行政書士業界にも、実務経験で行政書士になられている方がいらっしゃいます。

私が知っている方は、警察OBの人で、申請業務も手際良く、しかも警察内情にも詳しいので風営関係の話がある時はきまってお願いしている頼れる方です。

さて、宅地建物取引業法第31条の3により宅地建物取引士は、「国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない」となっております。

今回はこの「国土交通省令で定める数」についてみてみましょう。

具体的な人数については、省令を見ればわかるということになります。

法第31条の3第1項の国土交通省令で定める数は、事務所にあっては当該事務所において宅地建物取引業者の業務に従事する者の数に対する同項に規定する宅地建物取引士(同条第2項の規定によりその者とみなされる者を含む。)の数の割合が5分の1以上となる数、前条に規定する場所にあっては1以上とする。

宅地建物取引業法施行規則第15条の5の3(法第31条の3第1項の国土交通省令で定める数)

とあるように1/5以上ということになります。

そうか5人のうち専任取引士1人かと単純にいけば良いのですが、分母となる“業務に従事する者”の範囲にも注意が必要です。

国土交通省が示す宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方によると、次のように当該業者が宅建業に専業、宅建業が主業務、宅建業は従属的業務であるかにより範囲が異なっております。

(1) 宅地建物取引業のみを営む者の場合について

原則として、代表者、役員(非常勤の役員を除く。)及びすべての従業員等が含まれ、受付、秘書、運転手等の業務に従事する者も対象となるが、宅地建物の取引に直接的な関係が乏しい業務に臨時的に従事する者はこれに該当しないこととする。

(2) 他の業種を兼業している者の場合について

代表者、宅地建物取引業を担当する役員(非常勤の役員及び主として他の業種も担当し宅地建物取引業の業務の比重が小さい役員を除く。)及び宅地建物取引業の業務に従事する者が含まれ、宅地建物取引業を主として営む者にあっては、全体を統括する一般管理部門の職員も該当することとする。

専業の者は、ほぼ全従業員が分母となります。

週に1回頼んでいる清掃員などは、入らないという解釈でしょうか。

主業務の者は、総務、人事、経理などの管理部門も分母に含まれ、従属的業務の者は、管理部門の者は分母に含まないということになります。

貴社の状況はいかがでしょうか?
次回は、「専任の」の部分が気になるのですが、引き続き宜しくお願いいたします。

執筆者紹介

佐藤栄作

佐藤栄作行政書士事務所
行政書士

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