前回述べた専任の宅地建物取引士の常勤性について、少し追加しておこうと思います。
「常勤性」とは、宅地建物取引士が当該事務所に常時勤務することをいい、常時勤務とは、宅地建物取引士と宅建業者との間に雇用契約等の継続的な関係があり、当該事務所等の業務時間に当該事務所等の業務に従事することを要します。
したがって、非常勤の職員やパートタイム従業員、在学中の学生、別企業の従業員や公務員など・・・要するに、臨時の職員や副業である人は常勤性が認められないということになります。
次に専任の宅地建物取引士の「専任性」について掘り下げてみたいと思います。
宅地建物取引士は、専ら当該事務所等の宅地建物取引業に従事することが必要です。
宅地建物取引士が宅建業だけでなく、他の業務にも併せて従事する場合、当該宅地建物取引士が専ら宅建業務に従事することができる状態かを実質的に判断することになります。
当該事務所以外の事務所の専任の宅地建物取引士を兼務することはできません。
また、建設業許可業者が宅建業を兼務している場合における、建設業の「専任技術者」のように、事務所や営業所等において、常勤性や専任性を要件として設置されている人も、原則専任の宅地建物取引士を兼務することができないこととする行政庁もありますが、同一法人・同一場所で勤務する場合は専任性が妥当と認められる場合がありますので確認が必要です。
約 1 年にわたり、初めて連載形式のコラムなるものを執筆させていただきましたが、本コラムは今回で最後となります。
大変寄り道をしてきた投稿となりましたが稚文にお付き合いいただき誠にありがとうございました。
また会う日までさようなら(完)
執筆者紹介
佐藤栄作行政書士事務所
行政書士