新しい賃貸住宅のカタチ「シェアハウス」とは

新しい賃貸住宅のカタチ「シェアハウス」とは

首都圏では、若者を中心に「シェアハウス」の利用が進んでいます。

「シェアハウス」とは、複数の人が家を共有して住むことで、居住費を抑えながら交流を深めることができる新しい賃貸住宅のカタチ・住まい方(ライフスタイル)として注目されています。

入居者から見ての人気の理由として、以下のような点が挙げられます。

①経済的な面

まず、 経済的な面が大きなメリットとして挙げられます。

「シェアハウス」では、家賃や光熱費を抑えられること。家具や家電製品なども必要な設備は設置(またはシェア)されているため、初期費用がかからず、引っ越しの手間も減らすことができます。

更に、「シェアハウス」にはリビング等の共有スペースがあり、一人暮らしでは得られない空間とコミュニティ感を得ることができます。

②交流を深めることができる

次に、交流を深めることができるという点が挙げられます。

「シェアハウス」には、さまざまな年齢層や国籍、職業バックグラウンドが集まっています。

共有することで、日々の生活や仕事のストレスをも共有し、新しい価値観や発想を得ることができます。

③地球環境に配慮した住まい方

もう1点、「シェアハウス」は地球環境に配慮した住まい方としても注目されています。

共有することで無駄な消費を減らし、資源の節約につながります。

また、共有スペースの清掃やゴミ処理なども住人全員で協力することで環境保護に貢献することができるという考え方です。

一方、オーナー(不動産所有者)の観点からも、「空室の対策」や「一時的な利用手段」「再建築不可な建物の有効活用」「一般のアパート・マンションのように収益不動産」としてメリットのある使い方であると言えます。

これからのシェアハウス

このように、2000年代に入り、首都圏を中心に「シェアハウス」は増え続け、2022年時点では全国で約5,600棟(ベット数63,000床)うち約6~7割の3,600棟(ベット数39,000床)が東京都内に立地し、更にその9割が23区内に集中しております。

首都圏では高い家賃が課題となっているため、多くの人が今後も「シェアハウス」を選ぶことが予想されます。

「シェアハウス」は、2016年に建築基準法において『寄宿舎』と定義されました。

しかし、現実的に中古の建物を『寄宿舎』に変更することは難しく、空き家対策としての効果も無視できないため、2019年6月に一定規模以内(200㎡未満)の建物で、要件を満たしていれば特例として認められるという経緯をたどっています。

これによって、「シェアハウス」としてオープンできる物件・環境が広がり、「コンセプト」を大切にし、仲間を集める目的のハウスも増えてきました。

例:「ペット可」「シングルマザー」「ワイン好き」「自転車仲間」など。

昨今では、コロナ禍による利用者の減少で一時「シェアハウス」の数量的な伸びは止まり、空室が目立つ時期もありましたが、2022年からは少しずつ入居率も戻り、2023年に入った現時点においては、ほぼコロナ禍前の入居率に戻ってきているという見方が大半です。

新しい不動産の活用方法、住まいのカタチとしてはもちろん、独自な「コンセプト」も提供できる楽しみも含めた「シェアハウス」に、今後も注目してゆきたいと思っています。

今回の執筆者

安藤明子

株式会社コレント代表取締役
宅地建物取引士

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