書籍・コラム

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  • 2023.09.04

再開発と建物賃貸借の更新拒絶・解約の正当事由

はじめに 高層ビルの新築等を目的とした再開発のためには、事業用地上の建物の賃貸借契約を終了させる必要があります。 建物賃貸借契約の更新拒絶・解約は、借地借家法28条に基づき、①賃貸人及び使用人による建物使用の必要性、②従前の経過、③建物の利用状況、④建物の現況、⑤財産上の給付(立退料)を考慮した正当事由が要件となりますが、狭義の自己使用でない再開発の場合には認められるのかを近時の東京地裁判決から見 […]

  • 2023.08.28

賃借人の迷惑行為と賃貸人の責任

賃借人が騒音を出している、他の賃借人や近隣住民に嫌がらせをするなどの迷惑行為を行っており、それが違法と評価される場合には、賃借人自身が不法行為責任を負うのは当然です。 では、賃借人の迷惑行為について、賃貸人は何らかの責任を負うのでしょうか。 賃借人と賃貸人は、別の人格であるため、賃借人が起こした迷惑行為の責任を直ちに賃貸人が負うということにはなりませんが、賃貸人が責任を負うこともあります。 まず、 […]

  • 2023.07.31

少子高齢化時代の賃貸借~高齢者のリスク・メリットと対策方法

高齢者への賃貸に躊躇する家主が多い一方で、少子高齢化の現状を踏まえ、その必要性は迫りつつあるのが実情です。 まず、高齢者との賃貸借契約には以下の懸念を持つ家主が多いと感じています。 一方で、高齢者の入居には以下のようなメリットもあります。 東京都内の一部地域での調査結果ですが、お部屋探しサイト「SUUMO」で「高齢者歓迎」にチェックの入った物件は全体の0.2%に過ぎません。 つまり、高齢者がお部屋 […]

  • 2023.07.13

コロナ禍が争点となった各種裁判例(不動産、その他)

私は日頃から、不動産関連の案件を取り扱う機会が多く、2020年以降は、不動産をめぐるコロナ禍固有の法的問題に多数直面しました。 この経験を踏まえて「コロナ禍を理由とする賃料の減額請求等」と題する拙稿を執筆し、金融法務事情№2176(2021年12月25日号)巻頭の「OPINI論」に載せて貰いました。 本コラムでは、拙稿の「続編」という位置づけで、掲題の裁判例を幾つか採り上げます(下記①~⑤は、コロ […]

  • 2023.07.13

後見制度支援信託について

はじめに 後見制度支援信託の受託件数は着実に伸びており、令和3年(1月~12月) の1年間に、後見制度支援信託が新たに利用された (後見人が代理して信託契約を締結した)成年被後見人及び未成年被後見人の数は1,011人、信託財産額は約417億4600万円、信託財産額の平均は約4129万円との統計結果が出ています(「後見制度支援信託等の利用状況等について(令和3年1月~12月)」(最高裁判所事務総局家 […]

  • 2023.07.13

「収益不動産の利回り」から見えてくるもの

不動産の価値を考える場合は、その不動産から生じる収益に基づいてその価値を検討するときに収益不動産の利回りを用いることがあります。 不動産に金融の考え方を取り入れていくと、不動産に対する見方が広がっていきます。 また将来、不動産証券化(不動産ファンド)の投資案件を理解する際の基礎となります。 収益不動産の利回りとは 専門用語としては、「直接還元法」と「DCF法」に大別されますが、ここでは、「直接還元 […]

  • 2023.06.26

建築可能な道路付けについて

不動産を業としている方には毎度のお話で恐縮ですが、しかし不動産を調べる際にまず道路付けから調査する方は多いと思います。 不動産売買や鑑定で道路と言えば、建築基準法上の道路であって、道路法上の道路はあまり関係ありません。 それは建築基準法上の道路に原則として敷地が2m以上接面していないと、建物が建てられないからです。 建物が建てられるか否かでは土地の価値は全く変わってしまいます。 従って不動産の取引 […]

  • 2023.06.13

不動産賃貸の保証金はインボイスにも要注意!

不動産賃貸の実務において、オフィス等を賃貸する場合に、保証金として家賃の数か月分を支払うことが一般的に行われています。 これらの保証金については、契約が終了しても返還されない(償却する)保証金の額が設定される場合があります。 例えば、借主から貸主へ6ヶ月分の保証金を支払う場合に、契約の時点で2ヶ月分の保証金は返還しないことが確定していた契約だったとしましょう。 この場合、契約の段階で保証金6ヶ月分 […]

  • 2023.05.16

土地を駐車場として活用したまま不動産を相続する場合の注意点

土地を駐車場として相続した場合、どのようなことに注意すべきでしょうか。 「青空駐車場」には、メリットもデメリットもあり、慎重な判断が必要です。 青空駐車場で節税対策を考えるときの注意点について解説します。 相続税対策に役立つ「駐車場経営」。始める前にメリットとデメリットを押さえる 相続税対策のひとつとしてよく知られているのが「駐車場経営」です。 ひとくちに駐車場といっても、その形態は多種多様です。 […]

  • 2023.05.08

国税が公表する相続税の申告事績と調査等の状況から何が分かるか?

「彼を知り己を知れば百戦殆からず(かれをしりおのれをしればひゃくせんあやうからず)」 この言葉は、中国・春秋時代の将軍である孫武が記した兵法書「孫子」の一節であり、日本でも大変有名な言葉だと思います。 税理士は、納税者の側に立って様々なサービスや助言を行うことが通常なので、税金を徴収する立場である税務署は(特に税務調査の現場では)敵と言える相手になります。 となると、相手である税務署、国税当局のこ […]

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